虫歯や歯周病は放っておいて治ることはなく、進行していきます。
また、将来の生活に大きく関係し、特に小さいお子様は、身体全体の発達・発育にも影響を及ぼします。
それから、一度虫歯や歯周病の治療が終われば、「もう大丈夫。後は1年後に行けば良い。」と思われる方は多いですが、虫歯や歯周病の再発を防ぐためにも定期検診・メンテナンスが必要です。
当院では、3～4カ月に1回、リスクの高い方は、1～2カ月に1回の来院を推奨しています。

どんなに気をつけて歯磨きをしていても、除ききれない汚れはあります。
そのため、歯医者さんで行うクリーニングも重要です。
定期的に歯科検診を受けていると、初期の虫歯や歯周病のリスクを早期発見でき、治療も少なく済みます。
自覚症状がないときから歯医者さんへ通う習慣を身につけていただければと思います。

当院の予防歯科の特徴

定期検診を継続いただくための工夫

定期的に通院いただくには、患者様自身に現在のお口の状態を知っていただくことが重要だと考えています。
当院では、検診結果をもとに、きちんと磨けているところや磨けていないところ、状態が良くなったところや悪いところをフィードバックして、アドバイスしています。

次回の予約は、定期検診・メンテナンス終了後に取っていただくことが多いです。
予定が未定な方には、3～4カ月後に葉書でご案内しています。

患者様のライフスタイルに寄り添う治療

お口の状態に合わせて、歯科医師としてベストな治療法や治療時期を提案しますが、一番大切にしているのは、患者様のライフスタイルに寄り添うことです。
お仕事が忙しくて頻繁に通うのが難しい方には、患者様のペースに合った治療を選択していきます。

生活習慣や歯磨きの癖を改善させる指導

虫歯や歯周病の原因は、患者様の体質や食生活、ライフスタイルによって異なります。
ご自身がどのような原因で虫歯や歯周病になりやすいのかを知ることは、予防につながります。
また、虫歯や歯周病の予防には、ご自身の歯磨きの癖を直すことが重要です。
当院では、それぞれの患者様に沿った生活指導やブラッシング指導を行っています。

予防歯科の重要性

虫歯のなりやすさは、患者様の歯の質や、食生活、唾液の分泌量によって異なります。
初期は自覚症状がありませんが、痛くないからといって虫歯を放置していると、歯の根っこの管の中に細菌が入り込んで増殖し、次第に神経まで溶かしてしまいます。
こうなると、治療も大がかりになり、複数回に渡る治療が必要で、しばらく通院いただくことになります。

歯周病は、歯と歯茎の間に歯垢(プラーク)が溜まり、歯の周りの組織が細菌に感染して炎症を起こしている状態です。
日々の歯磨きで歯垢をきちんと落としきれていないと、歯垢の中に細菌が繁殖し、炎症を起こします。
これが歯周病の主な原因です。
歯周病は基本的に自覚症状がありませんが、進行すると歯茎が後退し、最終的には歯が抜け落ちてしまう病気です。
また、糖尿病や心疾患などの全身疾患との関連も報告されています。

虫歯も歯周病も早期発見できれば、簡単な治療で済みます。
また、歯石は歯磨きで取り除くことが難しく、歯医者さんで行う専門的なクリーニングで除去する必要があります。
ご自宅でのセルフケアと歯医者さんでの定期検診・メンテナンスで、しっかり予防することが重要です。

定期検診

虫歯や歯周病の予防、早期発見のためにも、定期的に歯科検診を受けましょう。
大人に対しては、3～4カ月に1回の定期検診をお勧めしています。
ただし、虫歯のリスクの高い方や歯周病が進行している方は、1～2カ月に1回が良いでしょう。

特に小さいお子様は、保護者の方にもわからないような虫歯ができていることがあります。
赤ちゃんに歯が生え始めたら歯医者さんデビューすることをお勧めしています。
お子様は3カ月に1回来院いただき、定期検診・メンテナンスを続けましょう。
歯科医師による検診の後、歯科衛生士が歯磨き指導や生活指導をします。
定期検診時にお子様の将来の歯並びの問題もチェックしています。

メンテナンス

検診結果をもとに、歯科衛生士が専門器具を用いてお口のクリーニングを行います。
当院では、検診に合わせてメンテナンスを行います。

歯科衛生士によるクリーニング

スケーラー

スケーラーという器具を用いて、歯周ポケットの浅い部分の歯石を取り除きます。

ルートプレーニング

スケーリングでは取り切れない歯周ポケットの深部にある歯垢や歯石を、専門器具を用いて除去します。

ポリッシング

器械で歯の表面を磨き、歯にこびりついた歯石やタバコや食事による着色を取り除きます。
歯の表面がツルツルになり、歯垢が付着しにくくなります。

フッ素の無料塗布

当院では、お子様に対して無料で高濃度のフッ素を塗布しています。
乳歯は歯の表面のエナメル層が薄いため、酸によって溶けやすく、虫歯になりやすいです。
フッ素には、虫歯菌から作り出される酸を弱め、歯の再石灰化を促す働きがあります。
定期検診と合わせて、3カ月に1回を目安にフッ素塗布を続けましょう。

シーラント

シーラントは、フッ素を含む樹脂を奥歯の溝に埋め込んで、虫歯を予防する処置です。
当院では、3歳くらいのお子様から処置しています。
奥歯の溝は食べカスが残りやすく、歯磨きですべてを取り除くことが難しいです。
溝をシーラントで覆うことで、毎日のブラッシング効果が高まり、虫歯予防につながります。

シーラントは、時間の経過とともに取れたり欠けたりして劣化するため、検診時にチェックしていきます。

ブラッシング指導

当院では、歯科衛生士がそれぞれの患者様に沿った正しいブラッシング指導を行います。
まず、染め出しで磨き残しを見える化し、患者様自身に歯磨きの癖を理解していただきます。
虫歯や歯周病の予防には、ご自身の歯磨きの癖を直すことが重要です。
歯茎を傷める磨き方や、余計なところを刺激して歯に負担をかけてしまっていることもあります。
歯ブラシが劣化しても使い続けたりする方もいらっしゃいます。

お子様に対しては、保護者の方とご本人に歯ブラシ指導をさせていただきます。
仕上げ磨きは小学3年生くらいまで続けましょう。
また、患者様に応じた歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシも提案させていただきます。

生活指導

虫歯や歯周病は食習慣と大きく関わりがあるほか、細菌が原因の感染症のため、患者様の体調とも深い関わりがあります。
ヒトは、睡眠不足や栄養の偏り、精神的なストレスによって体力が落ちて、免疫力が低下すると感染症にかかりやすいです。
当院では、食事の方法や日々の生活習慣を見直していただき、虫歯や歯周病になりにくくするための生活指導を行っています。